床ずれは1度なると治りにくい
重度で寝たきりの方を介護されていると床ずれ(褥瘡)になる事があると思います。訪問サービスで在宅に伺った時も床ずれになっている方が多くいらっしゃいました。
まず初めに床ずれとは、皮膚の同じ部分に長時間自分の体重による圧迫がかかることにより、血流が悪くなり皮膚表面の組織が壊死することをいいます。
そのため介護度が重度な寝たきりの方は寝返りが自分でできないので床ずれになりやすくなります。
床ずれになりやすい場所は仙骨(おしり中央の突起骨)、踵、肩などの圧力が掛かりやすい箇所です。側臥位や仰臥位の体位によって圧力が掛かる場所が変化するので体位変換が必要になります。同じ箇所に圧力を掛けないようにするのが予防の必須事項で体位変換を行う間隔として1時間半~2時間が目安とされています。
【床ずれの段階症状】
画像の左側が初期段階で右へ行くほど重度の床ずれとなっています。
ステージ1
皮膚表面に消えない赤い斑点(発赤)ができます。初期段階は発赤になるので発見しやすいのでここで対策して進行させないようにしたいですね。
ステージ2
水ぶくれやただれが出来る。真皮(皮膚表面のもう1つ下の皮膚)までただれており感染症の可能性もあります。
ステージ3
壊死組織ができる。傷が真皮を超えて皮下脂肪にまで達して体液(浸出液)がにじみ出てきます。
ステージ4
傷が皮膚、皮下脂肪を超えて、筋肉や骨までに達してしまう。膿や浸出液が周囲の組織を侵食して傷が拡大してしまいます。
最終的にポケットと言われる穴が出来て骨が見えたりするまで奥深く傷になります。
【床ずれの原因】
床ずれは圧力が同じ所に掛かってしまい血流の流れが悪くなり起こってしまう症状です。体位変換で適度に圧力が掛かる箇所を変えるのが予防の第一弾です。
他にもベッドシーツのシワやオムツの当て方が悪くシワが沢山あれば床ずれの原因となる事もあります。シーツやオムツのシワをしっかり伸ばして皮膚への摩擦を少なくするのが重要です。
又、栄養状態が悪いと発生率も高くなってきますね。特に体がやせ細っている方は皮膚が薄くなって摩擦による刺激がより一層床ずれ発生に関係してきます。
床ずれは寝たきりの方のみ気を付ければいいと思われがちですが、ある程度ご自分で動ける方でも発生します。車いすで日中過ごされている方が同じ姿勢で圧力が同じ箇所に掛かって発生する事もあります。
高齢者は痛覚や感覚も鈍化してますから自分では気づきにくいので介護している人が気づく必要が出てきます。