介護する上で最低限知っておきたい考え方
高齢になってくると身体機能などが低下していき自分では出来ない事も増えていき、老化は誰にでも時間の経過を共に等しく訪れるようになっています。
人間には尊厳があり個人として尊重されなければなりません。介護を行う時には常に意識しておく必要があります。個人として尊重される事はその人らしい生き方を目指すという事でもありますね。
【利用者さんとの関わり方はなるべく自立を促す】
身体機能が低下すると食事・入浴・排泄などのADL(日常生活動作)が1人では行えなくなってきます。出来なくなったから全て介護者が行うのではなくて自分で出来る事はしてもらうのが基本的な考えとなります。
昔の考え方はICIDH(国際障害分類)といって障害や生活機能の低下によって悪い所がどこで何が出来ないのかが注目されていた考え方でしたが、現在はその考え方が変わっておりICF(国際生活機能分類)となっています。
ICFは障害などのマイナス面ばかり注目するのではなく自分で出来ている事や介助や訓練で出来るようになる行動に注目する考えです(細かく説明すると長くなるので簡潔にしています)
【何をもって自立支援になるのか】
自立支援と言われると自分で出来る事はして下さいと考えればいいと思われがちです。極端な例ですが服は自分で着脱が行えるから何時間かかっても自分でやって下さいといった事も自立支援となりえるのか?
私の考えは上記は自立支援ではないと思っています。
単純にADL(日常生活動作)を向上させるのが目的であれば上記の対応でもよいでしょう(何時間かかってもはダメですが)
自分で出来るから行ってもらう事も大切ですがそれ以上に重要なのはQOL(生活の質)を向上させる事ですね。
子供の頃を思い出してください。
給食で嫌いな食べ物が出たとして食べ終わらないと楽しい休み時間に遊びにいけません。でも自分では休み時間中に食べられないという事はありませんでしたか?(私はありました)
高齢者の方も同じです。服は自分で着れるけど時間がかかるから参加したいイベントに行けないのであれば着るのを手伝ってあげてイベントに参加してもらえるようにすればよいのです。
結果的にその方のQOL(生活の質)が向上する事になり服を自分で着るというADL向上よりも個人として自立されていると思います。
【人間は1人では生きていけない】
社会と繋がりと持ち自分も参加している事が生活を充実させて1人の個人として自立している状態だと思っています(他者と関わりたくない方もいらっしゃいます)
その方の意思や考え方を尊重して向き合っていくのが介護に携わる上で重要となりますね。