便秘時の対応と医療行為について
便秘になるのは女性が多いと思いますが。私の勤務している特別養護老人ホームでも便秘者が多い日は下剤や浣腸を行って排出することもあります。入居率も女性8割で男性2割ですから必然的に便秘者も女性が多くなります。
他の介護施設がどういった薬を使っているかわかりませんが、私の施設では飲み薬以外で坐薬のテレミンソフトを使っています。便秘にも色々原因があるので症状にあった薬を使う必要があります。
【便秘原因と薬の作用】
- 水分不足
- 腸内環境の悪化
- 大腸の運動機能が低下
こういった理由が便秘になる要因です。
日頃の食事介助時に水分摂取だけはしっかり行っていても便秘にはなります。少しでも自力で排出してもらえるように腹圧を掛けて出しやすくしてそれでも出なければ坐薬や浣腸の流れになります。
便秘薬でも種類は大きくわけで2つあり「刺激性下剤」と「非刺激性下剤(機械性下剤)」になります。刺激性下剤は小腸または大腸に刺激を与えて蠕動(ぜんどう)運動を引き起こす下剤です。腸の動きを活発にして便の排出を手伝う感じですね。
刺激性下剤の種類でよく聞く名前はセンノシドやラキソベロンになります。便秘にはコーラックでお馴染みの商品にも刺激性下剤の成分が入っているようです。
次に非刺激性下剤ですが便に水分を加えるなどして柔らかくしてから排便しやすい状態にする効果があります。酸化マグネシウムのマグミットが該当します。
刺激性下剤のメリットは数時間で強烈な便意を感じる程の強い効果がありますが、デメリットとして服用回数が多くなれば体が慣れてしまって効果が薄くなってしまうことです。
反対に非刺激性下剤は刺激性下剤に比べ効果が薄いが服用回数に関係なく持続的に効果が続くことです。
刺激性と非刺激性下剤はどちらも更に細分化されて細かく種類が分かれていますが、介護職はざっくり2種類の効果を覚えていれば良いと思います。より詳しい知識は現場の看護士さんや担当主治医の医療専門職に相談すれば済むことです。
坐薬を入れても便が排出されない場合は最終的に浣腸して摘便になると思いますが、摘便は医療行為ですので看護士さんにお任せしましょう。浣腸も市販に売られている物なら介護職で行ってよいですが、差込部が長い浣腸器具は医療行為になり介護職は行ってはいけませんので注意しましょう。