認知症の人との関わり方
身内の人に介護が必要になった場合で最も対応が大変になるのが認知症かと思います。
身体機能の低下による介護であれば意思疎通は問題なく行えますし訴えが理解できますからご本人さんの希望に沿う事が可能です。ご本人・介護者の両者ともストレス無く負担も少ないですね。
【認知症は体験自体を忘れてしまう】
認知症は脳の機能障害です。私達が普段何気なく行っている時間の確認やどこに何が置いてあるか、服の着かたなど日常生活で普通に行っている事が出来なくなります。
よくある話しですがご飯を食べたのに「ご飯はまだかな?」と何度も聞いてくるという行動です。健常者であれば「どんなおかずを食べたか?」など体験した一部の記憶を忘れてしまうぐらいですのでご飯を食べたという体験を思い出せば関連して何を食べたかも思い出す事ができます。しかし認知症の人だと「ご飯を食べた」という体験全てを忘れてしまっています。
従ってご飯を食べてないと思っており何度も聞いてくるという行動が起こってしまうわけですね。
また認知症の人は物忘れを自覚出来ない事が多いです。健常者なら物忘れがあった場合は自分で自覚して対策を行い防ぐことが可能ですが、自覚していないので対策も取れないですし本人は問題ないと思っている為ご家族さんなど他者が注意しても言っている事が理解できていない場合がほとんどです。
「物忘れしてないのに何を言ってるの?」と感じているかもしれません。
【どう携わるべきか?】
認知症の人の行動には様々な原因や背景が存在しています。その人が歩んできた人生で体験した事・生活習慣・自身の性格など多くの要因が関連しています。
こういった背景要因を踏まえて何故その行動を起こすのか?意味を考えるのが重要となります。
何度も同じことを聞かれるとついついやってしまいますが、ご本人さんの話しを否定せずに傾聴する事が大切です。何が原因なのか背景を考え次にどうやったら自分自身で出来るようになるのか?と思案しましょう。
例えば季節にあった服が選べないなら目につく場所に服を置いて季節外れの服はしまっておくなど少しの工夫で自分で出来るようになります。
介護業務全般になりますが相手の話しを聞き、その人の個性や価値観と合わせて行動を観察する事が理解に繋がると思います。