どんな人生が幸せなのか?
介護職で働いているとご利用者さんから「早く死にたい」や「動けなくなってまで生きていたくない」と言われる人にも良く出会ってきました。私が思うにこの言葉は本音だと感じています。
私の勤務している特別養護老人ホームは意思疎通のできる方が少ないですが、数人はコミュニケーションが取れる方がいらっしゃいます。
リハビリを兼ねて外を散歩したりする際に世間話をしますが、私の2倍以上も生きてこられた方々ですから人生経験豊富で話しに深みがあります。
ある方は結婚して子供を2人育ててきたが自分より先に息子さんが亡くなられてしまいそれだけが心残りだと言われています。この事以外に悔いはない人生だったと自信満々に言えるそうです。
自分の人生に悔いは無いと言い切れるのが凄いと思いますね。私はまだ30年ちょっとしか生きていませんが残りの人生で悔いなく生きれたと言える自信はないです。
【最後ぐらい好きな事して終わりたい】
私が訪問入浴介護で出会った利用者さんの話しです。糖尿病の利用者さんで甘い食べ物は主治医から禁止されていました。その方はコカコーラが大好きで毎回入浴で伺う度に「コーラが飲みたいコーラが飲みたい」と訴えがあるのですが禁止されているのでお茶で我慢してもらっていました。亡くなる直前までコーラを希望されていたのですが結局は飲むことなく終わってしまいました。
もう1人糖尿病の方で同じく甘い食べ物が好きな利用者さんがいました。その方はアイスのあずきバーが大好きで毎回風呂上りに食べたいと訴えがあります。この方の主治医からは好きなように食べてもらっていいと指示が出ていたので希望に沿って食べてもらっていました。最後は意識消失して植物状態となったとうかがっています。
この2人の利用者さんの立場を自分に置き換えるとどちらが幸せだったのだろうかと考えさせられますね。私は先が短い人生になってまで好きな食べ物を我慢して長生きをしようと思いません。
人間は欲望があるから楽しく生きていけるとものだと感じているので、人生の幕を降ろす時は周りが何と言おうと自分のやりたい事を精一杯した方が充実した人生だったと言えるのではないかと思います。
1度キリの人生です。若いうちしか出来ない経験も重要ですから仕事以外の自分の時間を大切にしたいですね。