平均寿命が伸びても意味はない
日本の高齢化の要因の1つとなっているのが平均寿命が伸びたことです。平均寿命は「生まれてから亡くなるまでの期間」となっています。
生まれてから亡くなるまでの期間ですから寝たきりの介護状態や延命治療による期間も含まれています。本人の意思に関係なく家族が延命措置を希望すれば平均寿命が伸びることとなりますね。
介護に携わっている者からすれば寝たきりになってまで延命措置するのはいかがなものかと感じています。本人の意思がしっかりしていて寝たきりでも生きていたいとコミュニケーションが取れる場合は問題ないですが、本人を無視して家族の意向で延命は否定派です。
私は寝たきりになる前に尊厳死を希望したい考えだからです。こういった事態に陥らない為に生前にしっかり意思表示を示しておくのが重要だと思います。数年も介護に従事していると昨日は元気だったのに翌日に亡くなったと報告がくる場合も経験しています。
ある利用者さんは自分の意思をしっかり家族に伝えており延命しないことを希望されていました。実際にその方は夜中に痰が絡まってそのまま亡くなったのですが、本人さんは全て受け入れて助けを求めるわけでもなく家族が朝気づくと息をしていなかったそうです。
【平均寿命と健康寿命】
平均寿命は「生まれてから亡くなるまで」健康寿命は「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定めています。なので病気や怪我で介護が必要になった場合は健康寿命に含まれません。
生命保険文化センターより2016年度の平均寿命と健康寿命のデータが分かり易かったので引用しています。
平均寿命と健康寿命との差は男性で約9年、女性で12年となっています。だいたい10年前後は誰かの手助けが必要な生活を送ることになっているようですね。
このデータを見る限り将来的に老後の時間は極限まで短くなると思われます。既に70歳を定年制にする議論が検討されているぐらいです。本当に70歳定年になれば健康な状態で老後を過ごせる時間が2年~5年になってしまいます。その後は介護が必要な状態で過ごすことになるので好きな趣味も億劫になります。
医療の進歩で今後も平均寿命は延びてくると思いますが、本当に老後を楽しむのなら健康寿命延長と早期リタイヤを検討しなければいけません。