介護職は家政婦じゃないけどね
私の職場は特別養護老人ホームですのでトイレや部屋で呼び出しコールがあれば対応するのにお金が別途必要になる事はありません。
現在入所されているご利用者さんでコールを頻繁に押される方がいます。その方は認知機能はしっかりされており身体機能面で入所されたのですが、身体面でも比較的自立度が高いです。
例えばトイレに移乗するのも基本的にご自身で自立可能なのですがコールを押されることが多いですね。以前入所されていた有料老人ホームではコールを押して対応してもらうとその分が料金加算されてどんどんお金が必要になる料金体系だったようです。
私は有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の料金体系のことは良くわかりませんが、営利企業ですから付加サービスが必要なら人件費が発生しますしそういったものなんだと思います。
特別養護老人ホームに入所した経緯は知りませんが恐らく料金的な面が多いのかと感じます。
【介護職を家政婦と勘違いしていないか】
こういった身体面で自立度が高い方がコールを押すのは良くないことです。自分で可能なことを介護職が手伝ってしまえば介護依存してしまい身体機能の低下や本人の意欲減退に繋がってしまいます。
介護依存を甘やかしてしまえば最終的に大変になるのが介護職やご家族など介護者側になります。自分でできることは極力自分でしてもらう必要があるわけですね。
介護職は身の回りの世話をする家政婦ではないので、なるべく最低限の援助で生活してもらい介護職がいらない状態が維持できるのが理想です。
【ただし現実は甘くない】
最低限の介護で生活してもらうように現場の介護職はその利用者さんに車イスも自走を勧めていますし、トイレ移乗もほとんど手伝わないようにしていました。
そういった対応が気に入らなかったようで退所する話しも出たようです。そこで本人、ケアマネージャー、施設責任者で相談した結果が「出来ないことは手伝うが出来るようにリハビリしていく」となりました。
そもそもリハビリしなくても出来る状態なのですが・・・
簡単に退所されたら施設側も損しかないですから仕方ないです。私個人が対応する時は移乗する際も手を添えているだけで手伝うフリをしてます。それで安定した立位を取れるので問題ないです。
確かに介護職が手伝えば利用者さんで行うより早くてスムーズにできるので、人員不足で忙しい施設だと手伝ってしまいがちです。手伝いを続けていく内に習慣化してもっと介護依存となり人手が必要になってしまいます。
どこかで線引きする必要がありますが、その日の体調によりますし境界線が難しいところですね。